テッセラ音楽祭・第28回「新しい耳」第2夜 について
2021年5月15日 (土)16時開演
プログラム
第1部
ジョン・ケージ(1912~1992):18回目の春を迎えた素晴らしい未亡人(1942)
ジョン・ケージ:アリア(1958)(ソプラノ・ソロ)
ヘンリー・カウエル(1897~1965):「3つのアイルランドの伝説」より
1、マノノーンの潮流(~1917) / 2、The Hero Sun(1922)
(ピアノ・ソロ)
一柳 慧 : 花の送葬~ソプラノとピアノのための(2006)詩:辻井喬
第2部
シェーンベルク(1874~1951):月に憑かれたピエロ(1912年)(ヴォーカル&ピアノ版)詩:アルベール・ジロー(1860~1929)
前回の音楽祭では高橋悠治氏との共演で、知的かつリリカルな歌唱で観客を魅了した工藤あかねさん、今や音楽シーンになくてはならない存在です。
【プロフィール】
工藤あかね(ソプラノ) Akane Kudo 東京藝術大学卒業。これまでサントリー芸術財団「サマーフェスティバル」、「Tokyo experimental Festival」、「Tête à Tête The Opera Festival(ロンドン)」、「ダ・ヴィンチ音楽祭in川口」などに出演。テッセラ音楽「新しい耳」ではシェーンベルク「グレの歌」第一部全曲を歌った(ピアノ:廻由美子)。身体表現を伴う作品をはじめ、数多くの初演を行う一方、ヴィエルヌ「憂鬱と絶望」、シュルホフやウルマン歌曲の蘇演、サティ「ソクラテス」、シェーンベルク「架空庭園の書」、メシアン「ハラウィ」などの大規模歌曲も手がけている。第1回一柳慧コンテンポラリー賞。妻役で出演したフランチェスカ・レロイ「THE鍵KEY」が第19回佐治敬三賞。
ご覧のように凛とした清冽な美しさを漂わせる素敵な方ですが、その一方で驚くような行動をする方でもあります。
その好例がこちら。第21回第2夜(2017年11月4日)の公演です。
シェーンベルクの「グレの歌」第1部の3役(王、恋人、森鳩)を、なんとたった1人で歌い切った、という武勇伝の持ち主なのです。
前半に共演の廻と行った解説トーク(文字起こし付き)もありますが、ユーモアもたっぷり。
その工藤さんが廻との2回目の共演で、20世紀前半の最重要作品の一つであるシェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」に挑戦!今回はヴォーカルとピアノ
のバージョンです。
「難解」なイメージで少し怖がられているこの曲の、もっと面白く、もっと親しみやすい側面を2人で浮き彫りにしていきます。
昨年の5月の音楽祭で上演するはずでしたがコロナ禍で実現出来ず、今度こそ満を期しての上演となります。
前半も魅力的な作品が並びます!
それぞれのソロもあり、ジョン・ケージ、ヘンリー・カウエルなどの
アメリカ前衛の父たちの音楽、そしてその時代にアメリカにいて、その空気を
存分に吸っていた一柳慧の「花の送葬」を上演いたします。