by 廻 由美子
【新しい耳】@B-tech Japan 2025〜響き合う20年代!〜
前回のブログ「20年代とは」はこちらをご覧ください。
オープニングを飾るのは若い世代の作曲家/ピアニストとしてグローバルに活躍する小倉美春さんです。
2025年3月9日(日)15:30〜(15:00開場)
小倉美春(作曲・ピアノ)〜ピアノ表現の可能性2020s〜
桐朋学園大学音楽科でピアノと作曲を学び、ドイツ留学を経て、現在、ドイツ・フランクフルトを拠点に活躍される小倉さんは、これまでも数々の賞に輝いています。
ピアニストとしては、
2016年第12回現代音楽演奏コンクール”競楽”第2位
2018年第13回オルレアン国際ピアノコンクールで上位入賞
2023年メシアン国際ピアノコンクール第2位及びメシアン作品最優秀演奏賞。
作曲家としても
2021年第5回シュニトケ国際作曲コンクール第2位
2022年第15回オルレアン国際ピアノコンクール作曲賞
ここままでも目がチカチカしそうですが、スウェーデンよりCDリリース、イタリアでの楽譜出版や数々の委嘱、また、ピアノ作品が若手俊英ピアニスト、フィリッポ・ゴリーニ(Filippo Gorini)によってミラノ・スカラ座で初演されるなど、その活躍は目覚ましいものがあります。
スカラ座での写真をご覧ください。小倉作品を演奏したゴリーニ氏と共に写っていますが、豪華絢爛なスカラ座の舞台に全くの自然体でスックリと立っている様は、まさに小倉美春さんの音楽そのものです。
今回のプログラムは、自作ピアノ曲を集めましたので、自作自演を聴ける貴重な機会となるでしょう。
プログラム
小倉美春: Pas+Labyrinthe(2018)
小倉美春: Nijimi(2023)
小倉美春: Rifrazione (2024)
小倉美春さんから曲目解説メッセージをいただきました!
Pas
Labyrintheへの前奏曲的な位置付けで書かれた作品。残響へひたすら耳を澄ませる。
Labyrinthe
2018年自身が出場したオルレアン国際ピアノコンクールで演奏するために作曲された。規則的なリズムと自由なリズムの組み合わせが、入り組んだ迷路のような音響を創り上げる。
Nijimi
自作自演のCD"Ogura Plays Ogura"のために書き下ろされた。音程が決まっているピアノという楽器の上で、音程の滲みをどこまで生み出せるか考えた。
Rifrazione
2024年ヴェネツィア・ビエンナーレ委嘱作品。音楽祭が「絶対音楽」というテーマで行われたこともあり、過去の音楽との距離を測るという意味で、装飾音をモチーフにしている。30分という時間の流れの中で、私たちは屈折というプロセスそのものを体験する。
Pas、Labyrinthe での「残響」や「迷路のような音響」 、また、Nijimi での「音程の滲み」、Rifrazioneでの「過去の時間との距離」と「装飾」。
作曲者本人からの言葉が煌めいています。
2020年代、未来に向かう若き作曲家、小倉美春。
その思考、五感、インスピレーション、頭脳、身体、表現。
どうぞご期待ください!
2025年1月17日・記
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