by廻 由美子
前回のブログ「牧神の午後」についてはこちらをご覧ください。
5月の寺嶋陸也ピアノ・ソロから始まった「シェーンベルク生誕150年」を記念したシリーズもあと2回!
2024年11月24日(日):〜失われた楽園を求めて〜
出演:工藤あかね(ソプラノ) x 廻 由美子(ピアノ)
E.シュルホフ:5つの歌 作品32(1919)
A.ツエムリンスキー:12の歌曲 作品27より8番〜12番(1937〜38)
A. シェーンベルク:「架空庭園の書」(1908〜1909)
そして
2024年12月1日(日):
中川賢一(ピアノ)x石上真由子(ヴァイオリン)xマルモ・ササキ(チェロ)
〜洪水の前に〜
R.ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」(1859)より「前奏曲と愛の死」ピアノ・ソロ
C.ドビュッシー:「牧神の午後への前奏曲」(1894) ピアノ・ソロ
A.シェーンベルク:「浄夜」(1899)ピアノ・トリオ
となりました!
チケットはこちらをスクロールして下さい。
愛嬌があるとはとてもいえない自画像や「12音技法」など、難解なイメージで、いまいち敬遠されてしまいますが、このシリーズでは「シェーンベルクって楽しい」「色っぽい」、さらには「コワイカワイイ」などの嬉しいご意見もたくさんいただきました!
そう、シェーンベルクは「色っぽい」し「コワイカワイイ」ところもあるのです。
11月24日に演奏する「架空庭園の書」は、こちらのブログ「シェーンベルクと周りの人々」にも書いたようにシェーンベルクが妻に不倫され、しかも妻の相手は友人という最悪の経験をした後に書かれていますが、にもかかわらず官能の森に分け入っていくような魔術的色気に満ちています。
「薔薇」「キス」「ビロードのような羊歯、真ん中にある鈴」「甘い果実」
などなど、シュテファン・ゲオルグの詩にはいかにも象徴的な言葉が並びますが、シェーンベルクの楽譜を音にしていると、見てはいけないものを見、触れてはいけないものに触れ、秘密の扉を開けたような気になります。
暗さ、孤独感が通奏低音のように漂うのもこの作品の特徴です。
最後の長いピアノソロの後奏は、荒れ果てた城跡に佇むような壮大なスケール感があり、まるで古代中国の漢詩のようです。
そして12月1日に演奏される「浄夜」。
この曲についてはこちらのブログ「浄夜について」にも書きましたが、月夜の下の濃厚なる男女の会話がベースになっています。
作曲しているシェーンベルク自身がミューズに導かれながら「恍惚としたハーモニー」「恍惚としたメロディー」「恍惚とした展開」を創作し、自身が恍惚としていたのでは、と思ってしまいます。
「浄夜」の前に中川賢ー氏のピアノ・ソロでワーグナーの「トリスタンとイゾルデより前奏曲と愛の死」、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」、という官能的な2曲が演奏されますので、会場の空気も「浄夜」の前にすでに濃厚になっているかと思われます。
では、最後2公演、どうぞお楽しみに!
来年はまた楽しいシリーズが待っています!
全情報、もうすぐお届けいたします!
2024年11月15日・記
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全日程15:30開演(15:00開場)
全公演90分ほど。途中休憩はございません。
2024年11月24日(日):〜失われた楽園を求めて〜
出演:工藤あかね(ソプラノ) x 廻 由美子(ピアノ)
E.シュルホフ:5つの歌 作品32(1919)
A.ツエムリンスキー:12の歌曲 作品27より8番〜12番(1937〜38)
A. シェーンベルク:「架空庭園の書」(1908〜1909)
2024年12月1日(日):
中川賢一(ピアノ)x石上真由子(ヴァイオリン)xマルモ・ササキ(チェロ)
〜洪水の前に〜
R.ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」(1859)より「前奏曲と愛の死」ピアノ・ソロ
C.ドビュッシー:「牧神の午後への前奏曲」(1894) ピアノ・ソロ
A.シェーンベルク:「浄夜」(1899)ピアノ・トリオ
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