by 廻 由美子
【新しい耳】@B-tech Japan 2025〜響き合う20年代!〜
今シリーズのテーマはズバリ「20年代」!
一番古くは1620年代!
そして一番新しいのは、今、2020年代!
この400年、社会はどう変化してきたのでしょう。少し見てみましょう。
1620年代は、ドイツの新旧キリスト教の内乱からヨーロッパ中に波及した30年戦争(1618〜1648)の真っ只中。
アメリカにはイングランドからメイフラワー号に乗ったピューリタンたちがやってきます。
日本では江戸幕府で、吉原なども開設されたようですね。
1720年代はヨーロッパでペストが大流行。コロナウィルス流行のちょうど300年前になります。
この20年代にクリストフォリはピアノを制作し、J.S.バッハは「平均律クラヴィーア曲集第1巻」を作り、ジョナサン・スウィフトの「ガリバー旅行記」がロンドンで刊行され、ジョン・ゲイはその200年後の大ヒット作となる、ブレヒトxヴァイル「三文オペラ」の元となる「乞食オペラ」を作ります。
今から300年前で、もうすでに「今」の匂いがしてきました!
さて1820年代はどうでしょう。
この時代は絶対王政が復活し、自由、平等を求める声は否定され、抑圧された保守的な時代と言えるでしょう。
しかし、一度「フランス革命」を知ってしまったヨーロッパの市民たちはもはや黙ることはできません。
ベートーヴェン、シューベルト、といったお馴染みの作曲家たちが活躍し、学生や労働者があちこちで声を上げはじめます。
いよいよ1920年代!
1918年から1920年にかけて全世界的に流行した「スペイン風邪」はコロナ流行の頃に「ペスト」と共によく比較されたので、ご記憶の方も多いでしょう。
第1次世界大戦後の1920年代は「ローリング・トウェンティーズ」などと呼ばれ、ジャズが開花してレコードも普及、ラジオが開局し、片田舎でも音楽が楽しめるようになりました。アメリカでは禁酒法が施行され、その結果、もちろん「地下酒場」が大繁盛します。
禁止なんかするからです。
ジャズ・エイジ作品と言われるスコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」が出版され、音楽面でもガーシュインはもちろん、ミヨーやプーランク、バルトークなど、第1次世界大戦前とは全くカラーもリズムも違う、「若い音楽」が登場します。
日本でも「大正デモクラシー」と呼ばれる時代で、モダンガール達が銀座を闊歩したりしたようようですね。
しかし、関東大震災が起こり、自由な空気は一気に変貌してしまいました。
アメリカは空前の好景気に浮かれていましたが、1929年のいわゆる「大恐慌」で一気に暗黒になってしまい、狂乱の20年代は終わってしまいます。
そうして2020年代は、コロナ・パンデミックで幕を開けました。
今もまだ注意が必要なコロナ・ウィルスですが、それでも社会は動き、毎日何かが生まれていきます。
この2020年代が100年後の人々にどう写るのかはわかりませんが、コンクリートの隙間から雑草が生えるように、文化も生まれ続けていくでしょう。
響き合う20年代!お楽しみに!
2025年1月9日・記
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